不動産会社に売却相談をする前に、まずは地域の不動産相場を調査してみましょう。同じような条件の物件のおおよその売却額を知ることで、不動産会社の査定額が適正かどうかを見極められるようになります。

その際、「売出し価格」ではなく、実際に売却が成立した「成約価格」を見ることが大切です。

おおよその不動産相場を把握できたら、不動産会社に査定を依頼しましょう。

はじめから1社に絞らず、複数の不動産会社に依頼するのがポイントです。さまざまな不動産会社を比較検討することで、より条件が良く、親身になって対応してくれる不動産会社を選びやすくなります。

依頼する不動産会社が決定したら、媒介契約を締結しましょう。

媒介契約とは、不動産売却の仲介を依頼する際に結ぶ契約のことです。媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれ以下のような違いがあります。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

売却戦略を立案したら、いよいよ販売活動のスタートです。折込チラシや不動産ポータルサイトなど、さまざまな媒体を駆使して購入希望者を募ります。

なお、物件の内覧時には売主様に対応をお願いすることになります。内覧での印象が悪いと売却が成立しづらくなってしまいます。リビングやキッチンはもちろん、お風呂やトイレ、クローゼットや押入れの中など、物件を隅々までキレイしましょう。

売却価格や手付金の額、引き渡し時期など、購入希望者との条件交渉は不動産会社が仲介します。

売却価格の下限をはじめ、どうしても譲れないポイントをあらかじめ決めておくと安心です。

売主様、買主様双方ご納得のうえで、売買契約を締結します。

まず、不動産会社が売買契約書の草案を作成いたしますので、契約内容に問題がないか隅々までご確認ください。

契約の際は、買主様から売主様へ手付金を支払うのが一般的です。

契約時に決定した日程にて、物件の引き渡しを行ないます。また、このとき、売却代金の残金を決済します。

引き渡し当日までに、抵当権の抹消や所有権移転登記など、手続きに必要な書類をご準備ください。各種手続きや決済が済み、物件の鍵を渡すことで取引完了となります。

引き渡し当日までに必要なもの

• 所有権移転登記の必要書類（登記識別情報または権利証、印鑑証明書、住民票、司法書士への委任状など）
• 抵当権抹消登記の必要書類
• 実印
• 登記費用
• 仲介手数料の残金
• 物件の鍵
• 建築関連書類
• 売却代金の残金の領収書
• 仲介手数料の残金の領収書

必要に応じて用意するもの

• 実測図
• 境界確認書

査定評価のポイントを理解することは、不動産会社の査定が適正かどうか判断するうえでも役立ちます。

ここからは、不動産会社が物件の査定でチェックしているポイントをご紹介しましょう。

「不動産の査定額を少しでも上げたい」という方は多いもの。物件の状態や立地などは変えることができなくても、工夫次第で査定評価を上げることは十分可能です。

• 地域の不動産相場を把握する
  スムーズな売却を実現するためには、地域の不動産相場に即した売出し価格を決定する必要があります。まずは、似たような物件がどの程度の価格で売却されているのか、ネットやチラシで調べてみましょう。
• 物件の魅力を整理する
  周辺環境や日当たりなど、物件の魅力を整理しましょう。キッチンやトイレなど、リフォーム済みの箇所もアピールポイントにつながります。アピールポイントをあらかじめ整理しておけば、内覧対応の際にも、物件の魅力をスムーズに伝えられるでしょう。
• 戸建て売却が得意な不動産会社を選ぶ
  不動産会社には、それぞれ得意・不得意があります。不動産会社を選ぶ際は、その会社の戸建て住宅の売却実績をチェックしてみましょう。また、不動産売却の成否は、担当者の経験や力量によっても左右されます。戸建て売却の実績が豊富で、売主様の要望に合わせて適切な提案ができる会社を選びましょう。

• 類似物件の売り出し価格をチェックする
  相場からあまりにかけ離れた価格を設定してしまうと、買い手がなかなか見つからず、売却までの期間が長引いてしまいます。まずは周辺エリアの中古マンションの売出し情報をチェックし、類似物件の価格を調査してみましょう。
• 利便性をアピールする
  マンションの購入を希望する方は、戸建て以上に、利便性を重視する場合が多いもの。「子どもの独立を機に」「老後の生活のために」といった理由から、より便利で、コンパクトな生活を求めて中古マンションに住み替える方も少なくありません。そのため、駅や商業施設、病院へのアクセスの良さは大きなアピールポイントになります。
• マンション売却の特性を理解した不動産会社を選ぶ
  「築10年以内の中古マンションは需要が高い」「住み替えが関係する場合が多い」など、マンション売却ならではの特性を理解した不動産会社を選びましょう。ネットワークの広さも重要なポイントです。周辺地域にとどまらず、全国に幅広いネットワークを持つ不動産会社を選べば、それだけ多くの人に物件情報を届けることができます。

• 土地相場の特性を把握する
  土地の相場は社会情勢の影響を強く受け、再開発や道路建設などのタイミングで地価が高騰するケースも珍しくありません。こうした情報はすぐには出回らないことも多いため、幅広いネットワークを持つ「情報通」な不動産会社を選ぶと安心です。
• 土地の状態を整える
  雑草やゴミをそのままにしていると、購入希望者からの印象が下がってしまいます。また、更地の場合は、水道管や電線といったライフラインを整備しておくと売却につながりやすくなります。
• 建物の建設後のイメージを伝えられる不動産会社を選ぶ
  土地の購入希望者は、その土地の上に居住用、ビジネス用の建物を建てようと思っている場合が大半です。そのため、土地の売却では「土地に建物を建てた後のイメージをいかに伝えるか」という点が重要になります。建物の参考間取りを図面に掲載するなど、土地の購入希望者に対して、建設後のイメージをうまく訴求できる不動産会社を選びましょう。

不動産会社は、全国区の知名度を誇る「大手業者」と、地域に根ざした「地域密着型業者」の2種類に分けられます。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自分にとって最適な不動産会社を選びましょう。

一口に不動産会社といっても、その種類は実にさまざま。賃貸が得意な業者もあれば、中古マンションや土地の売買に特化している業者もあります。不動産会社の得意ジャンルは、過去の実績を見ることで推察できます。戸建てを売りたいなら戸建ての売却実績が豊富な業者、マンションを売りたいならマンションの売却実績が豊富な業者を選びましょう。

売却成立までのスピード感は、不動産会社の販売力に左右されるものです。

レインズや不動産ポータルサイト、チラシや新聞など、さまざまな広告ツールを駆使している業者は「集客力が高い」と判断できます。また、たくさんの顧客を抱えている業者であれば、条件に合致するお客様をスムーズに紹介できるでしょう。

また、地域に根ざしたネットワークを持っていることも重要です。地域の横のつながりが広ければ広いほど、的確な情報収集を実現できます。

不動産売却の成否は、担当者個人の力量によっても左右されます。「説明がわかりやすい」「親身になって対応してくれる」「売却に関して的確なアドバイスをくれる」など、スタッフの質が高い不動産会社を選びましょう。

不動産会社を比較する際は、利用者の口コミを探してみるのもおすすめです。口コミサイトなどで社名を検索すれば、よりリアルな声をチェックできます。